
会計事務所に求められるこれからの役割は、単なる「経理・税務上の相談、代理業務」だけでなく、より高度化・複合化した企業の経営課題の解決に向けての“ワンストップ・サービス”になります。
ワンストップ・サービスは企業にとってなぜ必要なのでしょうか。経営にかかわる問題そのものや法務的な部分を弁護士に、税務に関しては税理士に、労務に関しては社会保険労務士にと、経営課題に応じて企業の経営者が、いちいち切り分けて行っていくとなると、あまりにも時間的コストがかかってしまうというのが主な理由です。
また企業は、日々発生するさまざまな問題について、迅速に対応することが求められ、自社のバックボーンや事情などを、あらかじめ把握している専門家が側にいてくれれば安心します。課題そのものの本当のボトルネックがどこにあるのか、解決のための手順としてどの分野を優先的に取り組むのかをあわせて相談する、いわゆる町医者のような窓口機能が会計事務所に求められています。
税法も大きく変わりつつあり、企業から会計事務所に持ち込まれる相談も高度化しています。例えば、連結納税制度、減損会計、税効果会計、時価会計などのトピックスや、また国際会計基準、外形標準課税、移転価格税制など、グローバル化していく企業活動に伴う税務問題はさまざまです。加えて、コーポレートファイナンスなどの財務サービス、人事・労務、マーケティングの機能別のソリューションサービスなども求められる一方、企業の成長段階に合わせて株式公開(IPO)やM&Aといったプロジェクト的なサービスも多様に求められます。
また決して忘れてはならないのは、仕事上、企業に対して対峙する場面も多々あるということです。大手監査法人の監査責任の厳格化や、コンプライアンスに対するマーケットからの要請が世の中の流れとしてあり、企業に対して法令順守、企業責任を果たす重要性を指導していくことは、プロの会計士として当然に求められることになります。